映像の編集を担当する災害対策本部広報班等が映像を取得した後、できるだけ速く、目標としては6時間以内、遅くとも1日以内に公開版を速報版としてホームページに公開することが望ましい。
なお、速報版の映像資料は、できるだけ一編を1分程度を目安としてまとめるのが良い。
被災状況調査で取得した映像の中には、例えば衣服を身にまとわない姿の人物等が写っている可能性がある。このような映像は公開用映像から削除する必要がある。
また、人物が特定できる映像が入っている場合、それが第三者で、映像公開の許可を得ていない場合は、顔等にぼかしをかける等の編集を行う必要がある。第三者の保有車両がナンバープレートが読み取れる状態で写っている場合も同様に修正が必要である(図3-2)。
撮影した映像の中で冗長な部分は、カットするかタイムラプス化する(何倍速かの映像にする)こと等により、映像の冗長性を減らす。
1カットで撮影した映像を流す方が編集の労力は少ないが、映像によっては、複数のカットを組み合わせることで、分かりやすい映像になる場合がある。時間をかけずに粗編集できる体制が組める場合は、粗編集を行い、速報版を作成することも効果的である。
撮影した場所や映像内の事象に関する簡単な説明等を入れると良い(図3-5、図3-6)。映像にテロップを重ね合わせても良いが、画像編集ソフト等を使用して、適切な場面にテロップだけのカットを数秒程度挿入する方法も簡単である。
また、映像提供者として地方整備局名等を画面に重ね合わせることも推奨される。
速報版作成の際には、全体の作業量や編集班(委託を含む)の技術や人数によって、作業範囲が異なると想定されるので、時間的な制約の中で可能な範囲で行うことで良い。
なお、映像に付けるクレジット等予め用意することが可能な映像構成要素については、事前段階から用意しておくことが望ましい。
テロップの内容としては、近傍の公共施設(小、中学校、公民館)や〇〇町の地先名、集落名を挿入して視聴する人が場所を特定できるように工夫するのが望ましい。また、河川の専門用語の右岸、左岸は理解できないことから、川を挟んで右側、左側に〇〇方面、至〇〇等を記載して理解を助ける工夫は必要である。
必要に応じて多少時間はかかっても、有用な映像を活用して、視聴者にとってわかりやすいように編集したダイジェスト版を作成し、公開すると良い。
どのような映像にまとめるのか、コンセプトを明確にする。ダイジェスト映像のコンセプトとしては、例えば以下のようなものが考えられる。なお、ダイジェスト映像は、1つに絞り込む必要はない。
速報版として公開した映像や、ドローン以外の写真やビデオ映像等から、作成するダイジェスト版のコンセプトに合った映像や写真を抽出する。
抽出した素材のどの部分をどのような順番で使用するか、どのような解説を付けるかを検討し、あらすじを作成する。
シノプシス(あらすじ)に沿って素材を粗編集する。
<例>被災状況の確認から緊急復旧工事までを含めた時系的変化を伝える。
ドローンで撮影した動画静止画及び現地調査の際に撮影した動画静止画の中から、コンセプトに合った素材を抽出する。
ダイジェスト版の流れ、映像・画像の順序、解説の内容等、視聴者にとって分かりやすい映像となるように要約版を作成し編集する。